本から本へつながる書評ブログ『淡青色のゴールド』

読書家の経営コンサルタントのdaisuketによるブログです。一冊ずつ丁寧に書評しながら合わせて読むと面白い本をご紹介します。

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書評-人文・思想

書評『<責任>の生成』意志を持つこと、決定すること、責任を持つこと。そしてそれらを支援すること。

本書ではそんな國分氏の『中動態の世界』やその後出版された『暇と退屈の倫理学』などで扱われたテーマを参照しつつ、熊谷氏の専門である当事者研究を題材に、「支援する・されるという関係」「意思や責任という概念について」「主体や他者、そして社会につ…

書評『ネガティブ・ケイパビリティ』答えの出ない、どうにもならないことに耐える力の意義とその発揮され方

ネガティブ・ケイパビリティとは「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」のことを指します。一般的に現代社会では「なるべく早く明確な答えを出す能力」、つまりポジティブ・ケイパビリティがよしとされており、それができない…

書評『ハッピークラシー』誰もが幸せをを追求することと自己責任論との不仕合わせな関係を暴く

本書のタイトルの「ハッピークラシー」とは「幸せHappy」による「支配-cracy」を意味する造語です。心理学者エドガー・カバナスと、社会学者エヴァ・イルーズによる共著で、心理学・社会学の両面から幸せの科学やポジティブ心理学の背景や社会的な影響につい…

書評『アジア史概説』世界史理解の解像度が上がる大作歴史書

こんにちは。書評ブログ『淡青色のゴールド』へようこそ。本記事は宮崎市定さんの『アジア史概説』の書評記事です。アジア各地域の歴史を詳細に描きつつ、ヨーロッパ等周辺地域とのつながりや相互の影響を明らかにすることでアジアだけでなく、世界史理解の…

書評『中動態の世界』「意志」とは何かを言語と思考とその研究の歴史から考える旅路

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は哲学者の國分功一郎さんによる『中動態の世界 意志と責任の考古学』の書評記事です。

書評『人間科学におけるエヴィデンスとは何か』現場の成果を定量的ではなく、それでも明証的に示すためにできること

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は『人間科学におけるエヴィデンスとは何か』の書評です。医療、福祉や教育などの分野で、特に対人支援に関わる方にはぜひお読みいただきたいです。また、対人支援以外の分野でもソーシャルセ…

書評『「カッコいい」とは何か』新しいカッコいいをつくり、見せることの意味

本記事は平野啓一郎さんの『「カッコいい」とは何か』の書評記事です。「カッコいい」という言葉のさまざまな意味や語源、社会文化的あるいは宗教的な使用の文脈、政治利用されてきた経緯など非常に丁寧に掘り下げる本です。単純に「カッコいい」という言葉…

書評『私とは何か――「個人」から「分人」へ』”本当の私”という”呪い”からの解放

書名としては「私とは何か」という哲学的な問いかけが冠されていますが、哲学の本ではなく、むしろ日常の人間関係の捉え方を変えてくれるようなかなり実際的な視点の本です。 重要なキーワードは副題になっている「分人」です。”自分探し”や”自己実現”などさ…

レビュー『魚食の民』「食」を切り口に文化を考える面白さ

こんにちは。本日は小説ではなく文化人類学、民俗学の本をご紹介します。講談社学術文庫から出版されている『魚食の民』です。

レビュー『<子ども>のための哲学』哲学するとは思想を知ることではなくひたすらに考え続けること

こんにちは。daisuketです。本日は講談社現代新書から出版されている永井均さんの『<子ども>のための哲学』の感想を書きます。