本から本へつながる書評ブログ『淡青色のゴールド』

読書家の経営コンサルタントのdaisuketによるブログです。一冊ずつ丁寧に書評しながら合わせて読むと面白い本をご紹介します。

📖 200万冊以上が読み放題!Kindle unlimited 30日間無料体験 📖
当ブログはアフィリエイト広告を利用しています

【SNS入門本】SNSが苦手なマーケティング・広報担当者にまずオススメの3冊とその後に読むべき本の探し方

スポンサーリンク

【SNS入門本】SNSが苦手なマーケティング・広報担当者にまずオススメの3冊とその後に読むべき本の探し方

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は「【SNS入門本】SNSが苦手なマーケティング・広報担当者にまずオススメの3冊その後に読むべき本の探し方」と題し、組織や事業のためにSNSを活用するSNSマーケティングについて基本的なところから学ぶ際にオススメの本をご紹介します。

 

 

本記事執筆の背景と本記事の対象者

具体的な本の紹介に入る前になぜそもそも今回の記事を書こうと思ったのかについて簡単にお伝えします。

私は普段、主にNPO等の公益・非営利的な活動をしている組織のコンサルティングや研修講師業を仕事にしています。支援させていただくクライアントや研修受講者の中には中小の組織で、まだ組織としてSNSが充分に活用できていないという場合も少なくありません。SNS活用やSNSマーケティング自体を私がご支援する場合もありますし、「SNSを勉強するのにオススメの本を教えて下さい」という質問を受けることも少なくありません。質問をいただいた場合組織の状況や担当者の課題によって紹介する本を変えるのですが、特に初級・入門段階だとオススメする本もある程度共通しているので一度記事にまとめてしまおうと考えたというのが本記事執筆の大きな理由です。

そしてもう一つ別な理由もあります。SNS本を紹介する記事自体は今さら私が書かなくてもすでにものすごくたくさんあります。そうした記事の中に自信を持って紹介できるものがあれば良かったのですが、関連する記事を書いている方には申し訳がないですが、「正直これでは質問・相談してきてくれたお客さんに紹介できないな」と感じる記事の方が多いです。色々理由はあるのですが、一番はどの記事も紹介している本の数が多すぎるということです。SNS本自体の数が多いのでたくさん紹介したくなる気持ちも分かりますが、そんなにたくさん読めないし、どれ読んだら良いのか分からないと思わせてしまったらそもそもおすすめ本を紹介する記事の目的を達していません。

ということで、本記事では対象者をざっくりとですが絞った上でまずオススメする本を3冊に限定して紹介します。そして、さらに学びたいという方向けに読むべき本を探す方向性を状況や課題、関心に応じて提示する、という二段階構成で書いていきます。

本記事(が紹介する入門本)がオススメな人

本記事は特に以下のような方にオススメです。

  • (組織としてのSNS活用がまだあまりできていない)中小の組織に所属している方
  •  SNS担当になった or やってみたいがSNS自体は得意ではない方
  • マーケティングや広報、情報発信の基本的な考え方から学びたい方

SNSが苦手な担当者にまずオススメするSNS入門の3冊

それではここからは本記事の主題であるSNS入門の本をご紹介していきます。これから紹介する3冊の本はSNS初心者の方に非常にオススメであるという点では共通していますが、書かれている視点や読むことで得られるものはそれぞれ異なっています。できることなら3冊すべてを読んでいただくと、SNSとはそもそもどんなもので、それを組織や事業のマーケティングのために使うとはどういうことで、自分たちの組織に合った戦略や運用を考えるには何からやっていくのが良さそうか、といったようなSNSマーケティングにまず必要な視点や知識を得ることができるように思います。

とはいえ、普段本を読む習慣がなかったり、忙しい方はなかなかいきなり3冊すべては読めないというのもよくわかります。それぞれの書籍のどのような点がオススメなのかを解説していきますので、興味を引かれたものをまずは手にとってみていただければ幸いです。

『共感SNS』(ゆうこす)

まず一冊目は『共感SNS』。TwitterやInstagramなどSNSに普段から慣れ親しんでいる方はご存知の方も多いかもしれませんが、元HKT48のメンバーで現在は「モテクリエイター」を名乗ってさまざまな活動、事業を積極的に行っていらっしゃるゆうこすさんの著作です。

企業・団体のSNSアカウント運用の本というよりはSNSを活用したセルフブランディング戦略に関する本という感じなのですが、組織としてのSNS活用だとしても(セルフ)ブランディングの視点や発想は意識すべきです。むしろSNS慣れしていない担当者の方にとっての壁となってしまいがちと感じるのが「組織としての活用」という公式感を意識しすぎてしまうという点だと感じます。堅苦しい告知や集客情報ばかりになってしまい、投稿はしているけれどフォロワーも増えず反応ももらえない…という状況をよく見かけます。

本書はゆうこすさん自身が「モテクリエイター」というブランディングを確立していくまでの実際の体験を失敗談も含めて具体的に書かれており、非常に読みやすいです。すごいなと感じるのは単にセンスや勘に頼っているのではなく、ゆうこすさん自身がかなり勉強しながら模索しているということ。「どんなアカウントとして認識してもらいたいのか」というストーリー作りやターゲティング、ユーザー目線の思考法、ファンとの関係重視の発想などを考えていく視点は非常に参考になります。マーケティングのフレームワークなどをゆうこすさん目線で平易に語りながら具体的な活用法が解説されており、マーケティング自体よくわからないという方にとっても読みやすく、考えやすいものとなっていると感じます。

特に中小の企業・団体では、SNSの担当を職員だけではなく、ボランティアやインターン、アルバイトの学生が担当するという場面も少なくないかと思います。学生たちはSNSという慣れ親しんではいるかもしれないけれど、ただの内輪の使用とは違うことを考えなくてはならず、とはいえいきなりビジネス的な思考ができる訳でもなく戸惑ったりするのですが、そういう時にガチガチのマーケティング本を読むよりこの本の方が良いという場面は多くありそうです。

『僕らはSNSでモノを買う』(飯高悠太)

二冊目は、Webマーケティングメディア「ferret」の創刊編集長を始め多くの企業のマーケティング戦略立案やコンサルティングに関わってきた飯高悠太さんの著作『僕らはSNSでモノを買う』です。こちらもSNS本としては非常に有名な本で同書内で紹介されているフレームワークから通称『ウルサス本』と呼ばれています。

『共感SNS』の方はSNSアカウントとして「どうありたいか」という点をいかに突き詰めるかという事が分かりやすい視点で書かれているのに対して本書、『ウルサス本』の方はそもそも「SNSってどう使われてるんだっけ?」という点について改めて考えさせてくれます。

例えばプライベートグラフ(親しい友人や家族)、ソーシャルグラフ(学校や職場の関係)、インタレストグラフ(趣味や興味のつながり)のどの文脈で使われやすいサービス・製品なのか、といったことや自分たちの商材やサービスがどの層でどのように受容されうるのかといった、当たり前の話であるはずなのにいざ組織としてSNSに取り組もうとするとしばしば忘れそうになる人が多いように感じる点を改めて問いかけます。

本書の主題はそうした前提を踏まえた上で、ユーザーが起点となる投稿であるUGCやそれを起点としたULSSAS(UGC→Like→Search1→Search2→Action→Spread)というSNSの文脈を理解・想像しやすくなる行動変容モデルを提唱していることにあるのですが、このモデルの前提として重視されているSNSユーザーはそもそもSNSをどのように使っているのかという視点を発想の起点にすべきという部分がやはり大事だと思います。

『SNSマーケティング 第2版「つながり」と「共感」で利益を生み出す新しいルール』(林雅之)

三冊目は翔泳社がマーケティングの基礎・入門シリーズとして出している「デジタル時代の基礎知識シリーズ」から出ている『SNSマーケティング 第2版「つながり」と「共感」で利益を生み出す新しいルール』です。

企業・団体等の法人のSNS担当者向けのSNS運用解説本です。第2版ではFacebook、Twitter、Instagram、LINEに加えてYouTubeとTikTokの解説が加わっており、現状の主要なSNSが網羅されていますので、

  • これから組織としてSNSを活用したいけどどれからやればいいのかわからない
  • すでに複数のSNSを運用していてそのいずれもを改善したい

と漠然とした課題を感じている場合に適した本です。

基本的に各トピックが見開きごとにまとめてあり、左ページに文章、右ページに図表という形式が一貫していて読みやすい本ですし、図表の中には社内で自社の戦略を検討するためのワークに応用しやすいものや、マニュアルやチェックリストなども参考にできるものが多く、担当者がこの本を読んで、社内での議論のたたき台を作るといった実際の活用にも活かせる本だと感じます。

特に後半では「分析」、「SNSキャンペーンの企画」に加えて、「SNS広告」にまで(分量はやや少ないものの)触れている点は網羅的で企業担当者には使いやすい本なのではないでしょうか。

この本で運用の基礎を固めつつ、さらに戦略的に自社独自のという視点を打ち出していくには『僕らはSNSでモノを買う』に進んで、単なる発信だけでなく「発信してもらう」ことをいかに仕掛けていくか、を検討していけるとバランスの良い戦略を組み立てられるのではないかと思います。

さらに詳しく学びたい方向けの「次に読む本」の探し方

ここからは、上記三冊のような基本的な戦略、活用のレベルはクリアしたという段階からさらに進めていきたいという場合にどのような本を読んでいけば良いのかをご紹介していきます。組織の状況や目指すゴール、担当者の組織内での役割などによって考えるべきことや学ぶべきことの方向性は様々ですので、まずは以下の方向性から自身の状況や課題に応じて選んでみてください。

方向性①担当する個別のSNSの解説本

まず1つ目の方向性は「個別のSNSの解説本」です。前半でご紹介した3冊の本は、各SNSを網羅的、全般的に捉える本で、どのSNSでも共通して考えるべきことを学ぶ本でした。とはいえやはりSNSは各サービスごとに機能も文化・文脈もそれぞれに異なりますので、特定のSNSを使いこなしたり、複数のSNSを使い分けたりする場合にはSNS毎の戦略を立てられるようになることが望ましいです。そこで、自組織で運用しているあるいは自身が担当する個別のSNSの解説本を読むというのが「次に読む本」の方向性の1つ目です。

以下にいくつかご紹介しますが、SNSは機能のアップデートも早く、それに応じて使われ方も変わってくスピードが早いですので、なるべく新しい本で自分が読みやすいものを選ぶ、というのが良いかと思います。

方向性②施策特化本

SNS活用についてさらに学び、考えるための方向性の2つ目は「施策特化」の本です。例えばSNSを活用するといっても、公式アカウントを運用するというだけではなく「SNS広告」を活用するといった場合もあるでしょう。広告はSNS活用の中でも専門的なスキルですので、専門の解説本を読むのがオススメです。あるいはSNS以外にも活用できる専門的なスキルを学ぶことでSNS運用のレベルを上げるといった方向性も考えられます。例えばキャッチコピーや写真や画像についてなど。SNSはいずれも短い言葉・文章や画像・写真でいかに魅力を伝えていくかが重要になりますので、そうしたスキルを向上させることは自組織のSNSのレベルアップにつながります。

広告

キャッチコピー、画像

方向性③マーケティング戦略

3つ目の方向性はSNSに限らない「マーケティング戦略」そのものを学ぶという方向性です。組織の規模や担当者の役割によってはSNSだけでなく、他のマーケティング施策も合わせて考えるべき場合もあるでしょう。とはいえ「マーケティング」そのものに広げてしまうとあまりにも幅が広くなってしまいますので、まずは中小組織でSNSを担当している方が組織全体のマーケティングに発想を広げたり、組織内にそのような視点の必要性を提案していくという観点から「SNS以外のマーケティング施策も含めた改善視点を学ぶ」「SNSの位置づけをマーケティング全体の中で考える」といった本をご紹介します。

SNS以外のWebマーケティング施策も担当しているなら↓

KPIの達成状況やSNSの実績を組織内に報告立場にあるなら↓
顧客との接点や事業の流れ全体を考えるなら↓

以上、本記事では「【SNS入門本】SNSが苦手なマーケティング・広報担当者にまずオススメの3冊その後に読むべき本の探し方」と題してSNS初心者にオススメの本と、中級上級を目指すときの進むべき方向性の考え方についてご紹介しました。少しでも参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。