本から本へつながる書評ブログ『淡青色のゴールド』

読書家の経営コンサルタントのdaisuketによるブログです。一冊ずつ丁寧に書評しながら合わせて読むと面白い本をご紹介します。

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書評

書評『社会関係資本―現代社会の人脈・信頼・コミュニティ』ソーシャル・キャピタル論の現在地を知る

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は『社会関係資本――現代社会の人脈・信頼・コミュニティ』の書評記事です。NPO等で社会課題や地域課題へ対処する活動や、厳しい状況にある方を支援したりつながりをつくろうという活動をしてい…

書評『ハンチバック』健常者優位の社会、文化のいびつさを衝撃的な強さで指摘する一冊

本作品の主人公は難病を患い、背骨がS字に湾曲してしまう重度の障害を持つ井沢釈華という大学生なのですが、この主人公の持つ症状は著者である市川さんを投影したもので、市川さんご自身が筋疾患先天性ミオパチーという難病を患っており、人工呼吸器や電動車…

書評『<責任>の生成』意志を持つこと、決定すること、責任を持つこと。そしてそれらを支援すること。

本書ではそんな國分氏の『中動態の世界』やその後出版された『暇と退屈の倫理学』などで扱われたテーマを参照しつつ、熊谷氏の専門である当事者研究を題材に、「支援する・されるという関係」「意思や責任という概念について」「主体や他者、そして社会につ…

書評『社会的処方(西智弘)』健康には、病気がないことだけではなく、社会的なつながりも不可欠である

社会的処方とは、薬ではなく人とのつながりや関係性を「処方」することで人々の健康や幸福に寄与するという取組みのこと。日本でも孤立・孤独が社会課題として認識される場面が少しずつ増えていますが、本書が解説する社会的処方は大きな社会課題としてでは…

書評『ハッピークラシー』誰もが幸せをを追求することと自己責任論との不仕合わせな関係を暴く

本書のタイトルの「ハッピークラシー」とは「幸せHappy」による「支配-cracy」を意味する造語です。心理学者エドガー・カバナスと、社会学者エヴァ・イルーズによる共著で、心理学・社会学の両面から幸せの科学やポジティブ心理学の背景や社会的な影響につい…

書評『傲慢と善良(辻村深月)』自由な選択縁で生きる私たちの"善良さ"という傲慢な態度

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は辻村深月さんの『傲慢と善良』の書評記事です。小説作品として優れているのはもちろんのこと、人間関係やコミュニティといった側面から現代日本社会で生きる私たちに多くのことを投げかける…

書評『他者と働く(宇田川元一)』「私とあなた」それぞれの立つ場所、立ち方、歩き方を考える

経営学者による組織論を扱った書籍であり、NewsPicksパブリッシングからの出版ということでビジネスセクターの方が読んでいることが多いと思いますが、本書で語られることは営利組織だけでなく幅広い組織やコミュニティ、あるいはプライベートな人間関係につ…

書評『誰のためのデザイン?』ユーザーエクスペリエンス(UX)概念提唱者の分かりやすく骨太な必読書

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は認知科学者D・A・ノーマン博士の『誰のためのデザイン?』の書評記事です。ものづくりやグラフィックなど狭義でデザインに関わる人だけでなく、仕事や日常生活も含め「人に何かを伝える」と…

書評『項羽と劉邦』中国の魅力を練りに練って項羽と劉邦に集約した傑作

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は司馬遼太郎さんの『項羽と劉邦』の書評記事です。今更ながらですが、抜群に面白かったです。

書評『アジア史概説』世界史理解の解像度が上がる大作歴史書

こんにちは。書評ブログ『淡青色のゴールド』へようこそ。本記事は宮崎市定さんの『アジア史概説』の書評記事です。アジア各地域の歴史を詳細に描きつつ、ヨーロッパ等周辺地域とのつながりや相互の影響を明らかにすることでアジアだけでなく、世界史理解の…

書評『消滅世界』 ”社会で子どもを育てる”をエグい角度から考えさせる小説

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は村田沙耶香さんの小説『消滅世界』の書評記事です。村田さんらしいエッジの効いた設定の作品ですが、そこで問われていることは超少子高齢化が進む社会で生きる私たちにとって真正面から考え…

書評『ストーリーとしての競争戦略』経営戦略とは何であり、何でないのか

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は楠木健氏の『ストーリーとしての競争戦略―優れた戦略の条件』の書評記事です。経営戦略に関わる分厚い経営専門書でありながら異例の30万部超えのベストセラーとなっている書籍です。

書評『宇宙(そら)へ』差別・多様性・弱さと向き合う宇宙開発歴史のif

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事はメアリ・ロビネット・コワルの作品『宇宙へ』の書評記事です。1950年代の宇宙開発に歴史のif(もしも)を取り入れた改変歴史SF作品です。

書評『1週間でGoogleアナリティクス4の基礎が学べる本』ほぼ全画面全機能をキャプチャ付きで学べる基本の一冊

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は『1週間でGoogleアナリティクス4の基礎が学べる本』の書評記事です。Googleアナリティクス4についてこの一冊で一通りのことを理解し、導入・活用に向けた一歩を進めることができます。

書評『政策起業家』民間の立場から政策・法律を変えるあり方を示す熱烈奮闘記

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は駒崎弘樹さんの『政策起業家――「普通のあなた」が社会のルールを変える方法』の書評記事です。認定NPO法人フローレンスの経営者として日本の社会起業の第一人者ともいえる駒崎弘樹さんの新著…

書評『中動態の世界』「意志」とは何かを言語と思考とその研究の歴史から考える旅路

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は哲学者の國分功一郎さんによる『中動態の世界 意志と責任の考古学』の書評記事です。

書評『ナラティブカンパニー』”自分ごと化”に必要なのはストーリーではなくナラティブ?

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事はPRストラテジスト本田哲也さんの著作『ナラティブカンパニー』の書評記事です。近年ビジネスを始めとしたさまざまな業界で「ストーリー」の言葉と並んでよく使われるようになってきている「…

書評『NPOのためのマーケティング講座』NPO広報・マーケ・ファンドレイジング担当者の必読書

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事はNPOマーケティングの第一人者、長浜洋二さんによる『NPOのためのマーケティング講座』の書評記事です。NPOでマーケティングに関わる方、情報発信や広報、ファンドレイジングなど関連する業務…

書評『人間科学におけるエヴィデンスとは何か』現場の成果を定量的ではなく、それでも明証的に示すためにできること

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は『人間科学におけるエヴィデンスとは何か』の書評です。医療、福祉や教育などの分野で、特に対人支援に関わる方にはぜひお読みいただきたいです。また、対人支援以外の分野でもソーシャルセ…

書評『「カッコいい」とは何か』新しいカッコいいをつくり、見せることの意味

本記事は平野啓一郎さんの『「カッコいい」とは何か』の書評記事です。「カッコいい」という言葉のさまざまな意味や語源、社会文化的あるいは宗教的な使用の文脈、政治利用されてきた経緯など非常に丁寧に掘り下げる本です。単純に「カッコいい」という言葉…

書評『推し、燃ゆ』で考えるNPOの応援することと応援されることの意味。

本記事は宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』の書評記事です。かなり話題になった本で、すでにプロの書評もたくさん出ている本です。通り一遍の書評は今更不要かと思いますので、ちょっと変わった切り口で、普段私が仕事で関わっているNPOセクターについて本作を…

書評『ソーシャル・ファシリテーション』ソーシャルセクター人材の必須スキルセット

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は『ソーシャル・ファシリテーション』の書評記事です。社会課題の解決は自分ひとりだけで進められるものではありません。地域のさまざまな方とのコミュニケーションを上手くとりながらともに…

書評『私とは何か――「個人」から「分人」へ』”本当の私”という”呪い”からの解放

書名としては「私とは何か」という哲学的な問いかけが冠されていますが、哲学の本ではなく、むしろ日常の人間関係の捉え方を変えてくれるようなかなり実際的な視点の本です。 重要なキーワードは副題になっている「分人」です。”自分探し”や”自己実現”などさ…

書評『共感経営「物語り戦略」で輝く現場』VUCA時代の戦略発想起点としての”共感”

本記事は『共感経営「物語り戦略」で輝く現場』の書評記事です。イノベーションに成功している企業の取り組みや経営のあり方を「共感」「物語り」というキーワードから読み解こうとする本です。実現すべき「ビジョン」の提示やビジョンへの共感を軸に経営を…

書評『世界を変える偉大なNPOの条件』今でも学ぶべき「6つの原則」と3つの注意点

『世界を変える偉大なNPOの条件』の書評記事です。NPOマネジメントに関する本としては非常に有名な本です。日本語訳版が出版(2012年)から8年以上経過していますが、今でもその内容は褪せておらず、NPO経営に関わる方にはぜひ一度は読んでほしい本の一つで…

書評『社会を知るためには』社会は「わからない」ということの受け止め方

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事はちくまプリマー新書の『社会を知るためには』の書評記事です。タイトルの通り「社会を知る」ということをテーマに、なぜそれが難しいことなのか、どのようにその問いに向き合えば良いのかと…

書評『社会問題とは何か』誰が気づき、問題化し、解決されていくのか

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は『社会問題とは何か』の書評記事です。NPO等で社会課題の解決に取り組んでいる人はもちろんのこと、普段ニュースで目にする様々な社会課題に共通する構造について理解したいという方にオスス…

書評『コンバージョンを上げるWebデザイン改善集』コンバージョンを上げるためにWebサイトの何を変えれば良いのか

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は『コンバージョンを上げるWebデザイン改善集』の書評記事です。担当しているウェブサイトやランディングページを改善したいけど何から手をつけて良いか分からないという方にオススメです。

書評『ファンベース』NPOマーケティングの楽しさと可能性を強烈に再認識できる本

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は、佐藤尚之さんの『ファンベース』の書評記事です。私は経営コンサルタントとして仕事をしており中でもNPO等の非営利活動を行う組織に対するコンサルティングを行うことが多いのですが、発売…

書評『ルポ 児童相談所: 一時保護所から考える子ども支援』熱さを丁寧な取材に込めた真摯なルポルタージュ

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は慎泰俊さんの『ルポ 児童相談所: 一時保護所から考える子ども支援』の書評記事です。日本国内で子ども支援に関わる活動をしている方や「子どもの貧困」のテーマに関心のある方にはぜひ読んで…