本から本へつながる書評ブログ『淡青色のゴールド』

読書家の経営コンサルタントのdaisuketによるブログです。一冊ずつ丁寧に書評しながら合わせて読むと面白い本をご紹介します。

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書評-小説・エッセイ

書評『ハンチバック』健常者優位の社会、文化のいびつさを衝撃的な強さで指摘する一冊

本作品の主人公は難病を患い、背骨がS字に湾曲してしまう重度の障害を持つ井沢釈華という大学生なのですが、この主人公の持つ症状は著者である市川さんを投影したもので、市川さんご自身が筋疾患先天性ミオパチーという難病を患っており、人工呼吸器や電動車…

書評『傲慢と善良(辻村深月)』自由な選択縁で生きる私たちの"善良さ"という傲慢な態度

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は辻村深月さんの『傲慢と善良』の書評記事です。小説作品として優れているのはもちろんのこと、人間関係やコミュニティといった側面から現代日本社会で生きる私たちに多くのことを投げかける…

書評『項羽と劉邦』中国の魅力を練りに練って項羽と劉邦に集約した傑作

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は司馬遼太郎さんの『項羽と劉邦』の書評記事です。今更ながらですが、抜群に面白かったです。

書評『消滅世界』 ”社会で子どもを育てる”をエグい角度から考えさせる小説

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は村田沙耶香さんの小説『消滅世界』の書評記事です。村田さんらしいエッジの効いた設定の作品ですが、そこで問われていることは超少子高齢化が進む社会で生きる私たちにとって真正面から考え…

書評『宇宙(そら)へ』差別・多様性・弱さと向き合う宇宙開発歴史のif

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事はメアリ・ロビネット・コワルの作品『宇宙へ』の書評記事です。1950年代の宇宙開発に歴史のif(もしも)を取り入れた改変歴史SF作品です。

書評『推し、燃ゆ』で考えるNPOの応援することと応援されることの意味。

本記事は宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』の書評記事です。かなり話題になった本で、すでにプロの書評もたくさん出ている本です。通り一遍の書評は今更不要かと思いますので、ちょっと変わった切り口で、普段私が仕事で関わっているNPOセクターについて本作を…

書評『走ることについて語るときに僕の語ること』"走ること"にまつわる素晴らしきメモワール

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は村上春樹さんのランニングに関するエッセイ『走ることについて語るときに僕の語ること』の書評記事です。 ランニング・ジョギングを趣味としている方にはぜひ読んで欲しい一冊ですし、「読書…

書評『人生なんて無意味だ』世界は多様で、不条理で、残酷で、無意味だ。

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事はヤンネ・テラーの小説『人生なんて無意味だ』の書評記事です。児童文学ではありますが、大人にも読んで欲しい作品です。

書評『小さなカタコト*イタリア語ノート』下手な外国語会話本より実地で使える旅エッセイ

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は『ちいさなカタコト*イタリア語ノート』の書評記事です。私はこの本をイタリア旅行に行く際に飛行機の中で読みました。まったくイタリア語に触れたことのない方にもオススメできる本です。

書評『さよならは小さい声で』すてきなひとたちと過ごすていねいな暮らし

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は松浦弥太郎さんのエッセイ『さよならは小さい声で』のレビュー記事です。 この記事の下書きを書いたのは出張に向かう新幹線の中でした。読み終わって書評を書きたい本はたくさん溜まっている…

書評『小春日和』大人の目線でビルディングスロマンを受容し直す

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は金井美恵子の『小春日和』の書評記事です。金井美恵子氏の代表的連作「目白四部作」の一冊です。

書評『彦左衛門外記』歴史の虚構性を暴く「まじめにいいかげん」な周五郎の異色作

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は山本周五郎の『彦左衛門外記』の書評記事です。山本周五郎作品の中でもとびきりの異色作でありながら、だからこそ作家としての周五郎の”本音”が埋め込まれていると感じる作品です。

書評『阿房列車―内田百閒集成〈1〉』行けども、行く。ただただ行く。列車旅の魅力。

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は内田百閒の『阿房列車』の書評記事です。内田百閒の作品を読むのはこの作品が初めてでした。 実家に帰った際に私以上に読書好きの弟の本棚から借りてきて読んだ本です。

書評『梅咲きぬ』いちりき節全開の”人情子育てグルメ”小説

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は山本一力さんの歴史小説『梅咲きぬ』の書評記事です。

書評『海と毒薬』宗教的軸のない日本人は「罪の意識」とどう向き合うのか

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は遠藤周作の『海と毒薬』の書評記事です。「良心とは何か」という問題について考えたい方にオススメの作品です。

書評『人間の建設』50年前に行われたあまりに知的な”雑談”

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は文芸評論の大家小林秀雄と数学者岡潔の対談集『人間の建設』の書評記事です。

書評『プレーンソング』無為で無敵な青春を、叙述する仕方の一つの極地

こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は保坂和志さんの『プレーンソング』の書評記事です。弟のオススメで読むことになった、保坂和志作品としては初読書です。

レビュー『遮光』暗い小説を必要とする人、しない人

こんにちは。daisuketです。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。 本記事では芥川賞作家中村文則氏のデビュー2作目『遮光』の感想を書きます。

レビュー『犯罪小説集』犯罪や事件と私たちの「普通」の生活の紙一重さ

内容紹介 ワイドショー的に事件を消費する私たち 平成の日本を映す社会派小説 まとめと本作品を読んだ方・関心を持った方へのオススメの本 吉田修一『パレード』 吉田修一『横道世之介』 松本清張『ゼロの焦点』 山本周五郎『五瓣の椿』 山本譲司『累犯障害…

レビュー『虚空遍歴』人間の真価は何を為したかではなく、為そうとしたか

書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。当ブログとしては最初の書評記事となります。書評ブログに書く最初の書評をどれにしようかと少し悩んでいたのですが、話題の本や新しい本にとらわれず好きな本について好きなように書いていきたいということで、…