こんにちは。書評ブログ「淡青色のゴールド」へようこそ。本記事は「私が #ブックサンタ した本まとめ【テーマ別】【毎年更新】」と題し、私がブックサンタとして子どもたちへ贈った本と選んだ理由についてまとめてご紹介する記事です。基本的には年に一回、ブックサンタに参加する度に更新していきたいと思います。私自身の記録という意味合いが大きいですが、「どんな本を選べばよいか悩んでいる」「他の人がどんな考えで本を選んでいるか知りたい」という方の参考にもなればと考えています。
- ブックサンタとは
- 私がブックサンタとして贈った本
- 他のブックサンタさんがどんな本を選んでいるか知る方法
ブックサンタとは
ブックサンタとはNPO法人チャリティーサンタが全国の子ども支援を行うNPOと書店と連携して行っている企画で、「経済的な理由などさまざまな事情で大変な境遇にいる子どもたちへ、本をプレゼントしよう」というプロジェクトです。クリスマスや誕生日などにプレゼントをもらうことが難しい子どもたちに全国のブックサンタが選んだ本が贈られます。
自分の好きな本・届けたい本を選ぶ時間の楽しさ、子どもたちにとっても特別な体験、思い出となるプレゼントの本を選んで贈れること、書店や作家さんの応援になることなどブックサンタというプロジェクトは本好きにとってあまりにも楽しい寄付体験なのですが、そんな読書好きにとっての楽しさの解説や参加方法などは以下の記事にまとめていますので、良ければお読みください。
私がブックサンタとして贈った本
さて、ここからは私がブックサンタとして贈った本をご紹介します。私がブックサンタに参加し始めたのは2022年からなので、まずは2年分をご紹介しますが、来年以降もブックサンタに参加する度に更新していきたいと思います。
毎回3冊選ぶようにしているのですが、2023年からは自分なりにその年選ぶ本のテーマを決め、そのテーマに沿って3冊を選ぶというルールにしてみたので、テーマと合わせて選書の理由を簡単にご紹介します。
3冊としているのは、ブックサンタでプレゼントをもらう子どもたちが幼児から高校生まで幅広いということで、年代別にいくつかの本を選びたいということもありますが、一番は1冊になんて選びきれないのでなるべくたくさん選びたいという思いと、とはいえ冊数が多すぎると自分の金銭的な負担としても厳しくなってしまうので毎年無理なく続けていくためのラインとして設定した冊数です。
ブックサンタ2024で贈った本(テーマ:いろいろなおしごと)
2024年もブックサンタに参加してきました。今年贈る本を選んだ際のテーマは「いろいろなおしごと」です。こどもの頃、本を読みながら色々な事を考える機会を得ていましたが、大人になってからのことを色々と想像する、というのも本を読んでいての楽しさの一つだと思い、今回選んだのが「仕事」です。そして、仕事について触れ、想像してもらうときに必ずしもわかりやすい職業名のことではない形で色々な仕事の仕方や大人のあり方を知ってもらえると良いかな、という観点で選んでみました。今年も幼児〜小学生低学年向け、小学生向け、中高生向けで3冊です。
おしごとそうだんセンター(ヨシタケシンスケ)
まず一冊目は幼児〜小学校低学年向けを想定した本で、ヨシタケシンスケさんの『おしごとそうだんセンター』を選びました。地球に不時着した宇宙人が、地球で生きていくためのお仕事について知り考える、という設定なのですが、そこで紹介されるのは一風変わったお仕事ばかりです。優しい絵と言葉で紡がれるヨシタケシンスケさんの世界観を楽しんでいただきたいなと思います。絵本ではあるのですが、文字量がそれなりに多いことや振り仮名なしで漢字が使用されていることから、大人に読み聞かせしていただくことを想定している本だと思います。内容的にも大人が読んでも働くことについて新たな気づきをもらえるような内容になっていますので、大人と一緒に楽しんでもらえたら良いなと思います。
ヤバすぎる!偉人の勉強やり方図鑑(真山知幸)
続いては小学生向けを想定した本です。本当は別の目当ての本があったのですが、在庫切れしていたため、当日本屋であれこれと実際に手に取りながら探したのがこちらの本でした。仕事ではなく勉強を切り口にした本ではありますが、偉人というのはそれぞれの仕事や活動、あるいは生き方の中で何事かを成した人たちですので、その人たちがどのような勉強や学びの過程を経てそこに至ったのか、そしてそれは必ずしも真面目な正攻法のものばかりではなく、人とは違う「ヤバすぎる」やり方が多いのだということを知るのは楽しいことではないかと思います。
自分の仕事をつくる(西村佳哲)
三冊目は中高生以上を想定した本で、『自分の仕事をつくる』です。働き方研究家を名乗る西村佳哲さんによるこの本は、西村さんがさまざまな「いい仕事」をしている方を訪ね、インタビューするという本なのですが、単なるインタビュー本という感じはあまりしません。いろいろな問いや語りを通して「自分の仕事」とは何だろうか?ということが考えられていくのですが、話し手も話しながら考ていき、西村さん自身も話を聞きながら一緒に考えていくような雰囲気があります。本文の表示スペースが狭めになっていて、たくさんの注釈が本文中に示されているレイアウトも相まってのことかもしれませんが、仕事というものの奥深さや楽しさを感じることができました。私はこの本を悩みに悩んでいた就職活動中に読み、大きな刺激を受け、この本やシリーズとなっている続編の本も大好きな本となっています。
ブックサンタ2023で贈った本(テーマ:世界の広さを知る)
2023年からはその年に選ぶ本に自分なりのテーマを決めることにしました。2023年に考えたテーマは「世界の広さを知る」です。読書によって自分の知らなかった世界に触れることができるというのは読書好きが読書に感じる魅力として非常に大きなものの一つではないでしょうか。今は大変な状況にいる子どもたちにも読書を通じて、世界の広さを感じ、色々な世界に触れていくこと、考えていくことの楽しさを知ってもらえたら嬉しいなと思います。
『宇宙』加古里子(かこさとし)(福音館の科学シリーズ)
まず一冊目は幼児〜小学校低学年向けぐらいを想定した絵本で、かこさとしさんの『宇宙』を選びました。「世界の広さを知る」というテーマを考えたときに一冊は宇宙の本を入れたいと考えたのですが、絵本から選ぶことにしました。宇宙をテーマにした絵本もたくさんあるのですが、本屋であれやこれやと見比べて選んだのがこちらの一冊です。日常的に目にするものとの大きさの比較など具体的なところから宇宙の大きさ、広さがイメージできるように丁寧に書いてあります。おそらく最初は読み聞かせしてもらう方が読みやすい本なのですが、大人も一緒に楽しめるぐらいの内容です。私自身この手の細かく丁寧な絵本が大好きで、そのうち自分だけで何度も読みたくなる本になるのではないかと思います。
『翻訳できない世界のことば』(エラ・フランシス・サンダース)
続いては小学生高学年〜高校生ぐらいまでを想定した本で、『翻訳できない世界のことば』です。世界中のさまざまな言語はお互いに翻訳されていて、いまの子どもたちにとってはAIによる翻訳なんていうものももしかしたら当たり前のものになっていくかもしれません。それでも中にはその文化にあまりにも結びついていて、他の言語には訳しようがないという言葉や概念や文化が世界にはたくさんあるということをかわいいイラストとともに教えてくれる素敵な本です。例えば日本語からは「積ん読」という言葉が紹介されていたりします。単純な物理的な広さ以外にも世界の広さというのが広がっているんだということを感じてもらえたら嬉しいですね。
『スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選』
三冊目は高校生向け。高校生にもなると普段はあまり本は読まないという人から、すでに本好きになっているという人まで幅広いと思いますが、今回はどちらかというと後者寄りで子ども向けというフィルターはかけずに選びましたが、でも普段あまり本は読まない人でも挑戦しやすいという観点で短編集から選びました。日本人作家も海外作家もあり、中にはアンディ・ウィアーなどの人気作家もありというなかなか豪華な執筆陣が集められた「テレビゲーム」をテーマにしたSF小説のアンソロジーです。「世界の広さを知る」ということで高校生向けに考えたのが舞台設定となっている「ゲーム」であり、それを描く手法である「SF」です。要は私たちの世界は物理的な空間だけなのではなく、仮想世界にも、私たちの想像力の中にも無限に広がっているということを感じてもらえたらいいかなと!
ブックサンタ2022で贈った本(テーマ:子どもの頃好きだった本)
私がブックサンタに初めて参加したときに選んだのは以下の3冊です。このときは「小学生向けの本が不足している」という事務局からのアナウンスがあったので、小学生向けの本を2冊と絵本を選びました。このときはテーマを決めるという意識はなかったのですが、あとから名付けるとすれば「自分が子どもの頃好きだった本」です。
『ちいさいおうち』(ばーじにあ・りー・ばーとん)
一冊目は私自身が大好きで子どもの頃本当に何度も読み聞かせしてもらった絵本です。主人公の「ちいさいおうち」の周りで道路や街ができ、徐々に風景が変わっていく様子が素敵な文章と絵で描かれていて、子どもながらに「時の流れ」の雄大さのようなものを感じた絵本でした。ブックサンタに参加することを決めたときに最初に贈りたいと思い浮かんだのがこの一冊です。
『モモ』(ミヒャエル・エンデ)
二冊目は超有名で人気作の『モモ』。おそらくブックサンタで贈られている本の中でもかなりの人気作なのではないでしょうか。時間の大切さを考えることのできるファンタジー作品で、子どもだけでなく大人にもオススメできます。私自身が小学生の頃に読んだ思い出の作品で、今でも私の「#名刺代わりの小説10選」に入る作品です。
『海底二万マイル (10歳までに読みたい世界名作)』(ジュール・ヴェルヌ)
三冊目は小学生向けのシリーズから何か一冊選びたいなということで選んだのがこちらです。ジュール・ヴェルヌの作品では私自身は子どもの頃に『15少年漂流記』を祖母からの誕生日プレゼントでもらった記憶があったのを思い出し、同じヴェルヌの作品から選んでみました。ヴェルヌの冒険心を刺激する世界を楽しんでもらえたらいいなと思います。
他のブックサンタさんがどんな本を選んでいるか知る方法
最後に私以外の他のブックサンタさん達がどのような本を選んでいるのか知りたいという方向けにいくつかご紹介します。
Xハッシュタグ
https://twitter.com/search?q=%23ブックサンタ
まずはX(旧Twitter)です。#ブックサンタ のハッシュタグを付けて「今年はこんな本を贈りました」と投稿している方が非常にたくさんいらっしゃいますので、こちらでサンタさんたちの生の声をご確認ください。
ブクログ
2つ目は読書管理サービスブクログ上の特設ページです。2023年からブクログ上に「ブックタンタ」のタグを付けて登録された本の数に応じてブクログから子どもたちへ本のプレゼントが行われるというブクログとブックサンタのコラボ企画が始まっています。特設ページではブクログ上のサンタたちから人気の本が紹介されていますし、おすすめ本をまとめて紹介できる「ブックリスト」の機能でもブックサンタコラボとして「小中高生に贈りたい本」というお題が設定され、ブクログユーザーからのおすすめ本がまとめられています。
ブックサンタオンライン書店
3つ目はブックサンタさん自身で運営しているオンライン書店です。ブックサンタ企画に参加している書店に直接向かうことが難しいという方がオンラインからでも参加できるようにということで運営されているもので、主催者自身で選書された本たちが掲載されていますので、本を選ぶとっかかりが知りたいという方はこちらのオンライン書店をまずは覗いてみるというのもオススメです。
以上、いかがでしたでしょうか。本記事ではブックサンタとして私が贈った本についてご紹介しました。これからブックサンタになろうかなという方の参考になれば嬉しいですし、すでにブックサンタになったよという方はぜひあなたの選んだ本についてもコメントやSNS等で教えていただけると嬉しいです。
ブックサンタへの参加に興味のある方は以下の公式サイトをご確認ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。